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ベアリングのアウターレース形状と走行面の関係
ベアリングのアウターレース形状(外周面形状)はフラット形状が一般的ですが、TOKのベアリングは6種類のアウターレース形状がありますので、その中からお客様が使用する環境に最適なアウターレース形状のベアリングを選ぶことができます。以下の表は6種類のアウターレース形状と、それぞれのタイプの参考になる走行面の形状や使用例をまとめたものになります。ベアリングの走行面や相手部材の形状に応じて最適なアウターレースをお選び下さい。
フラット形 | 平面レールや凹溝レールなど、平面な走行面での使用に手最適です。 |
凸R形 | 平面な走行面でも使用できますが、V型レールや小型レールなどにも最適です。 |
U溝形 | Oリングを用いて使用する場合や、甲丸レールなどに最適です。 |
V溝形 | ワイヤーを用いて使用する場合や、V型レールなどに最適です。 |
凹溝形 | 角リングを用いて使用する場合や、角型レールなどに最適です。 |
フランジ形 | 軸受けとして使用する場合や、ガイドの役割も兼ねた使用に最適です。 |
ベアリングのインナーレース形状と取付け方法の解説
ベアリングの取り付けは、インナーレースの形状によって大きく異なります。TOKベアリングのインナーレースには3種類の形状すなわち3種類の取り付け方法から選ぶことができます。 一般的に内輪穴形状のインナーレースが主流ですが、TOKでは内輪穴形状以外にねじ軸付き形状、カシメ軸付き形状のインナーレースがあります。特にねじ軸付き形状はプラスドライバーを用いて容易にベアリングを取付けることができます。それぞれのインナーレース形状を動画を交えて解説していますので、参考にしながらお客様に適したインナーレースをお選び下さい。
内輪穴ベアリングの取付け方法|インナーレース Hタイプ
カシメ軸付きベアリングの取付け方法|インナーレース Aタイプ
穴の開いた取付け部品にカシメ軸の先端を差し込みます。次にスピンカシメ機に取り付けたインサート(ポンチ)を回転させながらカシメ軸の先端を加圧します。加圧によりカシメ軸の先端が変形し、取付け部品とカシメ軸を接合させることができます。
取付側の穴形状とカシメ軸との隙間は少ないほど理想的です。取付け部品の厚みですが、DR-22-A0.5(かしめ部長さ3.5mm)の場合、板厚2.3mm~2.6mmの鋼板へのカシメを想定した設計になっています。
注意)加圧を受けとめる受け治具が必要ですが、その際、カシメ軸の反対側端面に加圧が加わるようにし、アウターレースに加圧が加わらないようにしてください。アウターレースに加圧が加わると、ベアリング内部にボールの圧痕がついて回転性能に影響を及ぼす恐れがあるからです。
■関係する製品タイプ
– インナーレース Aタイプ
ネジ軸付きベアリングの取付け方法|インナーレース Bタイプ
ベアリングの取り付け隙間の関係
ベアリングの耐久性能
・許容荷重と耐久性:許容荷重値は総回転数100 万回の数値です。
・温度範囲:0 ~40℃ ※用途に応じて低温仕様、高温仕様による設計が可能です。
・回転速度:許容荷重:300min-1 を目安として下さい。
ベアリングの注意事項
● 衝撃荷重の加わるような使用は⾏わないで下さい。(図1参照)
● アキシアル方向に荷重が掛からないようご使用下さい。(図2参照)
荷重方向は垂直に掛かるように使用してください。
● 切削するなどの加⼯を⾏わないで下さい。
● 製品を分解・再組⽴は⾏わないで下さい。
● 誤った使い方をすると、破損や故障の原因となることがあります。
● ベアリングの仕様と注意事項をよく読み、初期設定を行ってください。
ベアリングが取り付けられる製品の品質と安全性を十分に確認するため、性能確認、耐久試験、環境試験を
行っています。
● ベアリングの分解・改造・再加工・修理は事故の原因になります。
ベアリングの分解・改造・再加工・修理は禁止されています。
性能・強度の低下により、故障や事故の原因となることがあります。
● 製品の仕様や定格を超えて使用しないでください。
ベアリングの製品仕様の範囲外で使用すると、事故の原因になります。
● 火をつけないでください。
ベアリングに火をつけると、火災や爆発の原因になります。